日々の覚え書き~観劇、本、その他彩りのあるもの~

アラサー女の生きる糧。生きてるって楽しい!と思えた物事の個人的な記録。

望海風斗ラストデイを観た(配信)

舞台は生き物です。

 

いや、

私は生き物。舞台は生もの。(by真彩希帆)

 

舞台は生ものであり、生き物のように新陳代謝していくもの。そんなふうに感じた観劇体験でした。

 

宝塚にハマった(まだハマりかけ?)のは最近な私。

望海風斗さんは映像でしか見たことがなく、観たいと思っていた矢先のコロナ禍。

ワンスアポンアタイム インアメリカ、半分以上が公演中止に。行きたかったよ。

 

今回、退団公演である「fff!」と「シルクロード」の二本立て、大千秋楽の配信を観ました。そこで渦巻く感情を書き記してみようと思います。

 

宝塚は、演劇のみで1幕2幕やる場合と、演劇+ショーの2部構成でやる場合があるようです。今回は、1幕はベートーヴェンを主役にしたミュージカル、2幕はシルクロードを舞台にしたショー。

 

私は、1幕のfff!という演目がとても好きでした。

ベートーヴェンは、聴覚を失い、恋人に振られ、初恋の人も失い、絶望のなかでなぜ、最後に交響曲第9番、歓喜の歌を書いたのか。

 

ベートーヴェン役である望海風斗さん。私がこの方に恋におちたきっかけは、知人からお借りしたDVD「ドン・ジュアン」でした。

運命に振り回され、孤独になり、それでもまっすぐ立ち向かう強い意思と歌声。

 

ベートーヴェンも、まさにそんなお役でした。

望海さんご自身のことはあまり存じ上げませんが、ファンの方のSNSなんかを見る限り、才能に甘んじず、鍛錬を続けてこられた方なんだろうと思います。

 

絶望の底で、打ちひしがれながら歌うソロ曲は、本当に本当に歌声を浴びるような感覚になりました。

こんなパワーを持っている演者さん、なかなかいないと思います。

 

いまのこのコロナ禍というなかで、皆が絶望や不安を感じ、エンタメ界はとくに「不要不急」だとか、あれこれ批判の的になっていた時期がありました。(特にワンスの楽日が確か有観客にするとかで揉めていたような)

きっと、組を率いるトップさんたちの風当たりや、重圧なんかは今までにない物だったんだろうと思います。

 

それを経ての、fff!。人生は不幸、絶望。それと戦うか、諦めて死を待つか。

否、

ベートーヴェンは、それを、運命を受け入れて、出口を、風穴を開けた。

 

ラストの、ピアノに向かうトップ2人を観て、なんでもないシーンのはずなのに涙が。

最後、出演者に囲まれて笑顔で歓喜を歌う望海さんはとても幸せそうでした。

 

はぁぁぁ。尊い

 

そして、2幕、そこからのサヨナラショー、退団者ご挨拶と続きました。

 

初めてのサヨナラショー、いろんな演目の名曲・名シーンが登場。

 

私は雪組の、望海さんと彩風咲奈さんのお役の上での関係性がとても好きでした。

ほかの組と比べるほど網羅しているわけではないですが、二番手さんは敵対する役だったり、追い詰める役だったり、トップカップル ←二番手さん という図式が多いような印象です。

でも咲奈さんは、望海さんと心の深いところでつながっている、同志のような。信頼関係の上にいることが多い印象があります。 

 

孤独に悶える望海さんと、それを横で支える咲奈さん。

咲奈さんの安定感。ホッとするんですよね~。次のトップさん、頑張ってほしいです。

 

サヨナラショーでも、特にKeyとなっていたのがファントムだったようで。

 

ファントムは、オペラ座の怪人の別バージョンというか。クリスティーヌを見初め、育てる怪人、という立場は同じですが、物語の肝が有名なオペラ座の怪人とはちょっと違います。

 

なぜファントムがKeyかというと。望海さんファントムが、真彩さんクリスティーヌを、リアルに育て上げたから、のようです。

望海さんと比して年齢も経験も若い真彩さんは、トップ娘役就任後、風当たりの強い時期もあったようなのです。

 

望海さんが退団挨拶で仰っていた、「蛹から蝶に育った」というのは「ワンスアポンアタイム~」の劇中の台詞にあるようなのですが、まさに。

望海さんに食らいついていこうと自身を磨き続けた真彩さん。リアルクリスティーヌなんですね~。

 

挨拶の最後の最後、真彩さんが望海さんに「大好きです」と恥ずかしそうに告げ、望海さんが「私も大好きです」と返した場面。

 

あんなにずっと近くにいて、それでもあんなに恥ずかしそうに、でも素直に「大好き」といえる真彩さん。

そして、それに真摯に返す望海さん。

 

ビジネス仲良しではなく、本気でお互いを尊敬しあっていることがわかる一幕でした。

 

ずっと近くにいたら、いやなところとかも見えそうなのに。

計り知れない努力と苦労と我慢があるであろうに。

ステージが大好きだと、組のメンバーが大好きだと、噓のない言葉と表情で告げていた皆様。

そういう方々に夢をみさせてもらって、元気をもらっています。

 

本当にありがとうございます。

 

実力十分なトップお二人は、大海に放たれてこれからもご活躍の場を広げていくことと思います。

 

自分の好きな役者さんたちと、共演してくれる日を楽しみにしています!!

ファンクラブできたら入ろうかな^^