いろんな人がいる、
「私がオバさんになったよ」 ジェーン・スー
2019年に出版された、対談集。
ジェーン・スー × ____ 、彼女のご指名で決められたお相手たちなんだそう。
本当に、うなずける内容がたくさん。
全体を通して見えるのは「男」と「女」の対立。
対立、といっても対決させようとするような記述は一切ありません。
古くからの「男性とは」「女性とは」という概念の対立、というのかな。
能町みね子さんとジェーン・スーさんは、どちらもパートナーが「主夫」。
金銭が発生する、いわば「逃げ恥」の逆バージョン。
「得意なほうがやれば良い」という意見にはうなずけるが、確かに、女性の「家事手伝い」に比べると男性の「専業主夫」は「どうしてそうなった」と好奇の目で見られやすいだろうし、再就職の際にも印象としてはあまり良くはないだろう。
2人の間の話だけなら、2人が納得していたらそれで良い。
ただ、、、
そこで出てくる単語、「地位が人をつくる」。
たとえば。
共働き家庭で、双方とも家事能力が同程度だとする。
そうするとなんとなく、年収が低いほうが分担を多く請け負う必要がある、気がしてくる。
金銭的に強いほうが、アドバンテージを取れるような、気がする。
この問題、どうしたら解決されるんだろう。
常々思ってしまう(当方、独身ですが)。
自分が家事したくなければ、自分より年収が低い夫をもらえばいいのか?
でも年収次第で傍若無人にふるまえるなんて、それは結婚というより支配では。
アウトソーシング、というのが最善の選択肢なのか?
でも、年収でも劣等感みたいなものは、なんとなく続いてしまう気が、してしまう。
どうやってみんな、うまくやっているんだろう。
近しい友人は、やっぱり家事のメインは女性側が担っている気がする。年収どうあれ。
結婚前の関係性の作り方次第、なのか。。。
そしたらそれって個人差が大きくないか?一般化することはできないのか?
教えてー、おじいさーーーん
もう一点、本書を読んで気になったこと。
それは逃げ恥で言う「いろんな呪い」、女性や加齢については論じられるようになってきている印象はあるが、ジェーン・スーさんが常々言う「男性についての呪い」。
男たるもの。
弱音を吐かず。残業なんてなんのその。
家族を養う必要があるから。
女性を助けないと。リードしないと。
これを解かないと、「女たるもの」の呪いが解けない。
でも、その呪いは、どうしたら解けるんだろう。
その女性のほうが、呪いに晒されることを自覚する機会が多い分、それを認めやすいしそこから解かれたいと思う機会は多い。
対して男性はどうか。
男性は自覚が乏しい。それに、男性も「こうありたい」という指針として上記を掲げている人もいるように思う。
それは、呪いなんですよ。
そんなこと、望んでいない女もいるんですよ。
と伝えたいが、自覚がないことには伝わらないし、解かれることを望んでいない人からは耳を貸してすらもらえない。
たぶん、以前付き合っていた男性は典型的なこのタイプだった。
彼は、プライドが高く、「自分に決定権がある」状態、つまり、常に自分が上に、前にいる状態で居たい人だったんだと思う。
そんな彼に、正面から崩しにかかって失敗し、逆ギレれされFinしました。笑
いまだに、未練があるわけではないが反省会をしても同じ道をたどる気がしてならない。
私は対等な関係だと思っていて、相手に非を認めさせたかったし、ないがしろにされたくなかった。それを伝えたら詰んだ。
じゃあ、どう攻略したら良かったのか。言い方の変更(柔らかさ)は可能だろうが、それで結果は変わるのか?
ずっと答えの出ない問いである。。。
いずれ、近場の男性に問いてみようと思う。
総じて、いろんな人がいる。それを学び、そのなかで自分を客観的に考えられる、そんな対談集でした。
おすすめ本であります。