ミュージカル マリーアントワネット 2021年@シアターオーブ
先日、観てきました。
マリー・アントワネット。ミュージカル。
ミヒャエル・クンツェ&シルヴェスター・リーヴァイのゴールデンタッグです(モーツアルト!やエリザベートなど)!!
史実を基にした、壮大なミュージカルでした。豪華絢爛。
まず私は、この観劇にあたりマリーアントワネットについて全く知識がない!(「パンがなければケーキを・・・云々」くらい)ため、予習をせねばと思い。
以下の書籍を読みました。
吉川トリコ 著 マリーアントワネットの日記 ~Rose/Blue ~
こちらの本は、またこれはこれで強烈な癖のある本だったのですが(褒めている)
それで得た知識をざっくりいうと
・オーストリアからフランスに嫁いだマリーアントワネット。本人は社交的ではあるものの狡猾に立ち回ることはあまりしなかった。素直に直球勝負で顰蹙買うタイプ。
・ルイ16世はとにかく真面目、優しいが王としてのカリスマ性は乏しい
・フェルセンという初恋の人がおり、生涯愛し続けた(フェルセンはプレイボーイ)
とりあえずはこんなところか。
さて、観劇の感想に参ります。
はじめ、フェルセンとの恋物語が舞台の中心なのかと思っていました。(フェルセンの名前が3番目に出てくるので)
ちがったーーーーー
もちろん、大事な要素ではありました。
でも、私なりに捉えたこの演目のテーマ、、、それは、
「自分で考えなさい」
ということでした。
フランスを貧しい国にした。貴族と貧民を二分化した。民衆は明日の食糧もないのに、宮殿では連日ダンスパーティー。
怒れ、今こそ立ち上がれ。我々民衆の敵は、贅沢三昧、浪費家の王妃マリーアントワネットだ!!
マルグリットと、オルレアン公はでっち上げの新聞記事を作って世論を操作する。
マルグリットの動機の中心は「権力に対する憎しみ」、オルレアン公の動機は「野心」。目的は同じ。王と王妃の評判を落とし、失脚させるため。
マリーアントワネットもルイも、世界がひっくり返る、ということを知らなかった。純真で、無知だった。宮廷内の世界しか知らなったから「王に対して、そんなことをするはずない」と、考えが甘かった。
フェルセンは他国の戦場や革命を見ていたから、早期から忠告をしていたがその言葉は届かなかった。
民衆は、首をすげ替えることに夢中で、革命の本質(マルグリットとオルレアン公の思惑)が見えていなかった。ただお祭り騒ぎ。
その騒ぎのなかで、マルグリットは、アントワネットの見張り役として働くようになり、気付く。
王も王妃も一人の人間であることに。
憎しみの象徴としての王族にも、家族があり、愛する人がいて、理不尽さや絶望にも直面する。
マルグリットは、マリーに嫉妬していた部分もあったんだろう。
フランス中の視線を集め、光が集まるマリー。
対して、貧しく暗い道を生きるしかないマルグリット。
でも、マリーも王妃という肩書に集まる「友人」や、足の引っ張り合いの宮廷内政治にうんざりし、孤独を感じていた。
「お金があるけど自由がない生活と、お金がないけど自由のある生活、どっちが幸せ?」
マリーが劇中でマルグリットに問う場面がある。
マリーは、マルグリットのように家もない、明日の食糧もない生活を想像はできないだろう。
でも、マリーの幸せの象徴は、自由(フェルセンとの未来)だった。
どちらが幸せ、どちらが不幸、とは言えない。でも自分が選ぶなら?という、観客側への問いかけでもあると思う。
そのほかにも、何が真実でなにが嘘なのか。
自分が志すものは何か。
いろいろな分かれ道があって、それぞれがそれぞれの選択をした結果起こったフランス革命。
物事の多面性。考えることはたくさんです。
今回Wキャストがたくさんだったのですが、私は花總さん×昆さん×万里生さん×上原理生さん、というキャストで観ました。
花總さん。
歌がすごく上手なわけではないと個人的には思ってしまうのですが、無邪気さや人から愛されるあの雰囲気。晩年の哀しみや孤独。その対比がすごい。表現が素晴らしいんだわーーーー
昆さん。
以前エポニーヌを一度生で観てから、もう虜です。力強さ。憎しみと悲しみ、怒り。
あんな小さい体で、大勢のアンサンブルキャストを引き連れて。「もう許さない」すごい!!鳥肌でした!!
万里生フェルセン
初めて生で観ましたが、キラキラした、華のある御方でした。ド直球、あなたのことを思ってます!!!!という熱きフェルセン。低めの音域より、高めの音域が甘い感じで好みでした~~
上原理生さん
ビジュアルがもう、、、、悪そう(笑)さしずめロックスターのような、ソロナンバーのあの猛々しさ。声量がすごい。情熱的なお役が合いそうな方でした。
嗚呼、願わくば芳雄フェルセンが観たかった~~~
次回再演があればまた行きたいと思う演目でした!!!!