日々の覚え書き~観劇、本、その他彩りのあるもの~

アラサー女の生きる糧。生きてるって楽しい!と思えた物事の個人的な記録。

知識はほぼ全くない私が、宝塚について語る。

踏み入れてはいけない領域だということは重々承知。

ずっと、ミュージカル好きとはいうものの、敬遠していた宝塚。

その理由はただ一つ「ハマると沼が深そうだから」。これに限ります。

 

推しの俳優さんがいる。劇団が好き。それももちろん、深い沼であることは承知している。あとは2.5次元。あれもかなり深かろう。

 

ただ、宝塚は、まず歴史が違う。愛されてきた、年月が違うのである。

 

そりゃあ、沼は深かろう。怖かったんだよ、踏み入れるのが。。。

 

 

しかししかし。興味はあったんです。

興味をもつきっかけのひとつであったのが、わが推しである浦井健治さんがシアタークリエで上演していたビッグフィッシュ。そのお向かい、東京宝塚劇場では、なんとなんと、あのときは知らなかったが、あの。あの。明日海りおさんの退団公演中だったんですね。

 

期間中数回、クリエに足を運んだのですが、出待ちの人。人。人。そして、みんな真っ白。

 

えっ、、、、何事??!! こんなたくさんの人が、だれを待っているのだ!!??

 

俄然興味がわき、調べる調べる。そして、明日海さんに出会う(映像などで)。

はぁーー。。なんと美しき方。素ももちろん美しいが、役が入ったときのあの舞台衣装、メイク。完璧すぎる、本当に3次元の人間なのか疑いたくなる美しさ。

 

なんということか!!!

 

そして、興味がある、興味があると言い続けていたら、運よくSNSで宝塚ファンの方とお知り合いになり、チケットを取っていただけることに。

 

初めて足を踏み入れた、東京宝塚劇場

 

わくわくわくわく。ついに禁断の地に足を踏み入れた・・・・!!

 

初めて観た演目は、宙組さんの「イスパニアのサムライ/アクアヴィーテ!!」。

 

ほぉ。2本立て???ショー???

 

完全にポカンでした。お芝居がそんな短時間で完結する衝撃。(ほぼほぼ3h越えのストーリーしか見たことなかった)

 

 

ショーの第2幕。。初めて触れた、あのきらびやかな世界。

はぁー!!!夢か!!!

 

 

その後も、WOWWOWやBS NHKなどでの映像は適宜checkしておりました。

望海風斗さん、明日海りおさんが素敵すぎて・・・大変でした(笑)

もっと早く出会っていれば・・・・(望海風斗さんはまだチャンスはある・・・!?)

 

 

そしてようやく、この度、2回目の観劇機会を頂くことができました。

演目は花組さんの「はいからさんが通る」です。

まだコロナ対策で生オケは使用せず。でも、客席は満員でした。

 

いままで映像などで観ていた宝塚の舞台は、なんとなくおとなしい女性が多かったような印象がありましたが、ストーリー柄、トップ娘役さんの、なんとも溌剌とされていること・・・しょっぱなから面喰ってしまいました(笑)

 

ストーリーのはじめに、キャスト紹介よろしく全出演者さんたち(と思われる)が整列し、タイトルのネオンが降りてきてのオープニング。

私はそのとき、生で、これだけアンサンブル・ダンサーさんがいる舞台を、大きな手拍子のなかで観られることに胸が熱くなりました。

 

コロナ禍で、出演人数を減らしたり、上演時間短縮、セットや演出を変更して演者の距離を保つなど、変更に踏み切ることが多いなか。大所帯である宝塚はさぞ大変だったんだろうな、なんて。

この演目も、一度は中止になってしまっているわけですから。

宝塚は初心者でも、舞台、ミュージカル好きとしては、、本当に感慨深いものがありました。

 

 

そして、その中心にいる、柚香光さんの、尊いこと・・・・

線が細く、声もやや高め?なこの方。どちらかというと演技派なんだろうなと、初見で勝手に思いました。

先日、花より男子の映像も拝見したのですが、あの好きな女性とのすれ違い、切ない表情、、、純な笑顔。ずきゅーんときました!!!!!

 

映像で観た、ポーの一族でも思いましたが、本当に、立っているだけで目を引く。稀有な存在なんだろうなぁと。

(CASANOVA で演じられていた役は、少々違和感を感じてしまいましたが 汗)

 

そして、わきを固める、瀬戸かずやさん。この方の余裕のたたずまい、声量、時折のコミカルな動き。生で観て、この方の魅力がわかりました。本当に、安心して観ていられる。

 

まったく知識がないので、人事だとか、次期を期待されている方々とかは存じ上げないのですが、今回、水美 舞斗さん、 音くり寿さん、の2方が、気になりました!!!

 

目を引く美しさ、しっかりした歌声、役柄もとても良く。

 

宙組さんのときに感じたことですが。

ショーもとても素敵だったのですが、正直まだ顔とお名前が一致していない視聴者からすると、遠目からだと衣装の形やお色が一緒では区別がつきにくいので、「同一人物??ん??」となるわけです。

イスパニアのサムライは、和モノでなんとなく衣装もみんな似ていたし、ちょっと判別が難しかったのです・・・。

 

対して、今回観劇したはいからさんが通る、は、原作を知っていたこともあるのでしょうが、キャラ立ちした登場人物が多く、目で追いやすかったこともうまくハマれた要素だったのかなぁ、と思っています。

 

 

まだまだ、宝塚ビギナー、勉強中の身ですが。

今後柚香さんトップの花組さん、できればストーリーがしっかりとした演目で、また観たいな、と思いました。

 本日は、眺めているだけで「はぁあぁぁぁ~~~」という声が出てしまう感じでした、まさに。笑

 

つぎは、雪組さんと星組さんが気になる、、、

 

なんとか、望海風斗さんの歌を、生で一度聴きたい・・・・!!!!

という夢を持ちつつ。。(映像ですが、ドン・ジュアンで落とされました)

 

これからも、コロナに負けず、この素晴らしい劇団が続いていってほしいと切に願う次第でございます。

 

以上。

これから、花組明日海さんのエリザベートを観ようと思います~♪

いろんな人がいる、

「私がオバさんになったよ」 ジェーン・スー

 

2019年に出版された、対談集。

ジェーン・スー ×   ____ 、彼女のご指名で決められたお相手たちなんだそう。

 

本当に、うなずける内容がたくさん。

 

全体を通して見えるのは「男」と「女」の対立。

 

対立、といっても対決させようとするような記述は一切ありません。

 

古くからの「男性とは」「女性とは」という概念の対立、というのかな。

 

能町みね子さんとジェーン・スーさんは、どちらもパートナーが「主夫」。

金銭が発生する、いわば「逃げ恥」の逆バージョン。

「得意なほうがやれば良い」という意見にはうなずけるが、確かに、女性の「家事手伝い」に比べると男性の「専業主夫」は「どうしてそうなった」と好奇の目で見られやすいだろうし、再就職の際にも印象としてはあまり良くはないだろう。

2人の間の話だけなら、2人が納得していたらそれで良い。

ただ、、、

そこで出てくる単語、「地位が人をつくる」。

 

たとえば。

共働き家庭で、双方とも家事能力が同程度だとする。

そうするとなんとなく、年収が低いほうが分担を多く請け負う必要がある、気がしてくる。

金銭的に強いほうが、アドバンテージを取れるような、気がする。

 

この問題、どうしたら解決されるんだろう。

常々思ってしまう(当方、独身ですが)。

 

自分が家事したくなければ、自分より年収が低い夫をもらえばいいのか?

でも年収次第で傍若無人にふるまえるなんて、それは結婚というより支配では。

 

アウトソーシング、というのが最善の選択肢なのか?

でも、年収でも劣等感みたいなものは、なんとなく続いてしまう気が、してしまう。

どうやってみんな、うまくやっているんだろう。

近しい友人は、やっぱり家事のメインは女性側が担っている気がする。年収どうあれ。

結婚前の関係性の作り方次第、なのか。。。

そしたらそれって個人差が大きくないか?一般化することはできないのか?

 

教えてー、おじいさーーーん

 

 

もう一点、本書を読んで気になったこと。

それは逃げ恥で言う「いろんな呪い」、女性や加齢については論じられるようになってきている印象はあるが、ジェーン・スーさんが常々言う「男性についての呪い」。

 

男たるもの。

弱音を吐かず。残業なんてなんのその。

家族を養う必要があるから。

女性を助けないと。リードしないと。

 

これを解かないと、「女たるもの」の呪いが解けない。

 

でも、その呪いは、どうしたら解けるんだろう。

その女性のほうが、呪いに晒されることを自覚する機会が多い分、それを認めやすいしそこから解かれたいと思う機会は多い。

 

対して男性はどうか。

男性は自覚が乏しい。それに、男性も「こうありたい」という指針として上記を掲げている人もいるように思う。

 

それは、呪いなんですよ。

そんなこと、望んでいない女もいるんですよ。

と伝えたいが、自覚がないことには伝わらないし、解かれることを望んでいない人からは耳を貸してすらもらえない。

 

たぶん、以前付き合っていた男性は典型的なこのタイプだった。

 

彼は、プライドが高く、「自分に決定権がある」状態、つまり、常に自分が上に、前にいる状態で居たい人だったんだと思う。

 

そんな彼に、正面から崩しにかかって失敗し、逆ギレれされFinしました。笑

 

いまだに、未練があるわけではないが反省会をしても同じ道をたどる気がしてならない。

 

私は対等な関係だと思っていて、相手に非を認めさせたかったし、ないがしろにされたくなかった。それを伝えたら詰んだ。

 

じゃあ、どう攻略したら良かったのか。言い方の変更(柔らかさ)は可能だろうが、それで結果は変わるのか?

 

ずっと答えの出ない問いである。。。

いずれ、近場の男性に問いてみようと思う。

 

総じて、いろんな人がいる。それを学び、そのなかで自分を客観的に考えられる、そんな対談集でした。

おすすめ本であります。

〇大ミュージカルってなんだ。

先日、山崎育三郎先生がTV番組で

日本4大ミュージカルとして「レミゼラブル」「ミスサイゴン」「モーツァルト!」「エリザベート」を挙げていらっしゃいました。

 

しかし、調べていると「世界4大ミュージカル」は

レミゼラブル」「キャッツ」「オペラ座の怪人」「ミスサイゴン

という記事があったり、

 

そこに「シカゴ」が入ったり。結局どういうことやねん!

 

まぁでも、上に挙がった作品はいずれも名作と呼ばれるものたちです。

ミスサイゴンはまだ生での観劇はできていませんが、その他の演目は、劇場で観ました。(サイゴンは、映像で観た)

 

 

それぞれの感想について、追々一つずつ書いていこうと思いますが、

まずは、最初にハマった「オペラ座の怪人」について語ろうと思います。

 

この演目は、一度劇団四季のを観ましたが。

「日本語訳の歌詞がメロディーにちゃんとハマってない、、、、、」

 

ということがショックで、その後行っていません。見たくなったら映画。

(2004年、アンドリュー・ロイド・ウェバーのミュージカルが映画化された。)

 

あらすじは省略しますが、そういえば先日、リアルな知り合いから聞かれました。

 「あれって話題になったけど、なにがそんなに面白いの???」と。

 

そのときは、ざっくり「うーん、人間模様、だよね。」と答えました。

 

以下、 独断と偏見により、私の好きな点・好きな場面を並べていこうと思います。

 

 

 

とにかくやっぱり、「歌」。一番はこれに尽きると思います。

有名な歌がたくさんありますね。

 

なかでも私が好きなのは、「All I Ask of You」「Think of Me」「Point of No Return」。

見事に愛の歌ばっかりです。

 

「All I~」は、ヒロインと幼馴染の恋人が、愛を誓いあうシーン。

ざっくりいうと「私があなたにお願いしたいこと」として、「私を愛して」「私をあなたのそばにおいて」「私と人生を分け合って」というような言葉を並べた、求婚を意味する歌なのだと思います。

 

これが良いのです、

無垢な二人の、夢物語の愛のシーン。ここからが悲劇の始まりなのですが・・・・・

 

 

そして「Think of me」

これは「All I~」よりも場面が戻り、ラウルとクリスティーヌの出会いのきっかけとなる歌です。

クリスティーヌの初めての主演舞台。

劇中歌として歌われるこの歌ですが、まだ幼いころの思い出、約束を、時々思い出して。時には私を思って、という歌です。

 

幼きころの恋人だった二人の再開と愛の再燃に一役買ってしまう歌ですね。

これは歌詞が無くても、弦のメロディーだけで美しいと思える曲です。

あまり跳躍する音がなく、繰り返しの多いメロディーですが、そのぶん歌いながら徐々に募る思いが感じられます。

身をゆだねたくなるような、素敵な歌です。

 

最後、「Point of ~」は、ファントムとクリスティーヌのデュエットですが、

この歌は、もう、先の2曲とは正反対というか。

Passionと欲望しかないような。とても官能的な歌です。

 

ファントムは、はじめはクリスティーヌを娘のように扱っていた印象だったけれど、ラウルの登場で、嫉妬というものを知った。

クリスティーヌ&ラウルも、もう少しファントムに気を遣ってあげればいいのに・・・この2人も、ファントムをただの「怪物」として、ほかのひとと同じように、憎しみをもって接してしまったから。

ファントムは悲しみや憎しみの感情を増殖させてしまった。

 

彼はただ、自分を見てほしかっただけなのに。

自分の書いた歌を、クリスティーヌに歌ってほしかっただけなのに。

 

正直、ファントムが抱く感情が恋とか愛とかそういうものなのかは、よくわかりません。ただ、彼女を独占したい。自分だけのものにしたい。

 

それに対してクリスティーヌも、理性ではStopと言っているのに、ファントムに吸い寄せられていく。

そんなシーンです。

 

炎の中を踊る2人。

美しさではなく、生々しさしかない、そんなシーンです。

 

 

私はこの作品を観ながら、ファントムに同情した記憶があります。

彼は心の奥底でずっとクリスティーヌに行かないでくれと叫んでいて。

でも、素直にそれを表現できないから、力ずくで彼女を手に入れようとする。

 

それに反発する彼女、彼女を守りたいラウル。

 

ぐるぐるぐるぐる、拗らせた三人の人間模様。

それは曲のように、パリのように華やかではなく、地下室のように、薄暗くドロドロとしているものなのでしょう。

 

全体的に暗いトーンなのに、こんなにもヒットしたのは、

みんな奥底にファントムのような、暗い湖をもっているからではないか。

 

なーんて。

 

 

ちなみに、ウェーバーさん、続編ミュージカル書いてます。

これもまた、暗く救いのない話。。。。

でも、クリスティーヌとファントムは、とても素直な心を歌っています(それが綺麗か汚いかは問題ではない)。

ほかの登場人物は、果たして本心を歌えていたのだろうか。

これについてはまた、気が向いたら。

 

ちょっと知識と熱量の足りなさを感じたので、適宜加筆していく予定。。。

8月18日 『水平線』

それは衝撃だった。

 

通勤のバスの中、朝一番でTwitterをチェックするのが日課な私は、思わず手を止め、つぶやいた(リアルなほう)。

 

「うお、まじか!」

 

あのツイートの素っ気ないくらいのシンプルさ。

 

「back number     新曲    『水平線』」。

 

 

 

事前告知なし、YouTubeフル公開という、なんという商売っ気のなさシンプルさ。

 

待ちに待った、超久しぶりのリリース。

 

改めて振り返ると、彼らの最後のリリースは2019.3月のアルバム、MAGIC。

1年半空いているわけです。

 

さらに言うと、シングルの、しかもタイアップなしの新曲というのは、2014年の「繋いだ手から」以来。つまり約6年ぶり!

 

 

なぜタイアップなしの新曲、とわざわざ言ったかというと。タイアップがダメとか、そういう話ではもちろんない。

ただ、タイアップの曲というのはたいてい、ドラマなり映画の脚本なんかを読んで、テーマを彼らなりに反映させた、彼らの曲。

曲の主人公は、その物語の主人公であり、基本は「あの映画・ドラマの曲」というイメージになってしまうわけだ(あくまで個人の見解です)。

  

対して、タイアップの無い曲は、「なんで今、この曲を作ったのか!?」という意味を持っているような気がしているのだ。

 

だから、私は、2014年という時から状況が飛躍的に変化した彼らの、「いま聞かせたい歌」が何なのか、どんなテーマなのか、本当にずっとずっと、気になっていたのだ。

 

 

そこで出てきたのが、この曲。

 

もう、完璧でしたよ、完璧。

 

私はこういう彼らが、大好きなんだよ。

 

 

back number。

彼らの良さを語るとき、よく聞かれるのが「切ない歌詞と美しいメロディー」。

「キュンとする」「片思いの気持ちを代弁してくれる」、等々。

 

失恋ソングの代名詞、というイメージ。

 

確かにそう、そうなんだよ。でも、彼らの歌は、恋愛だけじゃない。

 

全体的に、自己肯定感の低い主人公が登場する彼らの歌。

それは「今の自分」を、変わりたいけど変われなくてイライラしたり、落ち込んだり、羨んだりしている自分を、肯定してくれるのだ。 

 

 

私は、彼らの「頑張れと言わない応援歌」が大好きだ。

昭和~平成初期って、私の勝手なイメージだと「頑張ろう」「一歩踏み出してみよう」「努力は報われる!」みたいな、応援ソングが多いように思える。

もちろん、テンション上げたいときに、そういう曲は聞くし、大好きだ。

 

でも、back numberの応援歌はそういうのとは違う。

彼らは、本当に、「それでいいんだよ」と、言っているだけなのだ。

その、肯定してくれる声のなんと温かいことか。

 

 

私は、かれこれファン歴が長いのだが、新卒で社会人になりたて~4年目くらいまでが、一番彼らの信者だった。というか、彼らの音楽なしで日々を乗り越えることはできなかった。

 

誰もが通る、「新人」という道。

尊敬できる先輩がいて、やりがいのある仕事があって。

そんな恵まれた環境にある人もいるだろうし、うまくいく、達成感を感じる、そんなポジティブな日ももちろんある。

 

でも、私は自分の不甲斐なさに愕然としたり、先輩や同僚がまぶしく見えたり、自分ではどうしようもない理不尽なことに苛立ったりしていたことのほうが多かったように思う。

 

そういうときに「頑張れソング」を聴いていると、

「なんであの人みたいにできないんだろう。」「ここまで到達できていないのは、頑張りが足りないからなのかな」「頑張らなきゃ・・・・頑張らなきゃ・・・」なんて、マッチョな考えに苛まれて本当に鬱々としてきちゃうんです。

 

 

対して、彼らは「必死に頑張ってるんだよね。」「しょうがないことだってあるよ。」「君はちゃんと頑張ってる」っていうみたいに、ただ、そばにいて、「ここにいるよ」って言ってくれる。

 

以前、何かの小説で読んだ「応援というのは背中を押すことじゃなくて、『お前の味方はここにいるぞ』と叫ぶこと」という(自分的要約)ことが、しっくりくるような。

 

背中を押してくれなくていいの。

みんな、たいてい、頑張ってるんだから。

 

この『水平線』も、そう。

誰かほかの人の何かと。

もっと重大な出来事と。

比べると「大したことない」と言われてしまう事だって、当事者からしたら大したことなんだよ。

だから、これは大したことなんだ、と、思ってていいんだよ。

大したことないって、自分で暗示をかけなくていいんだよ。

悲しい、悔しいって、言っていいんだよ。

無理に前に進もうとしなくていいんだよ。

 

 

そういう目線で、曲を書いてくれるのが彼らなんだ。

 

だから、彼らの優しさが、大好きなんだ。

 

 

8月30日 『メイビー、ハッピーエンディング』

久しぶりに、あんなに「完璧だ」と思える舞台でした。

もちろん、演者は常にハイクオリティです。

でも、芸術って受け取り手の状態によってもかわるじゃないですか。

 

体調を含めた自分の集中力とか、精神状態とか。吸い込む態勢ができていて、はじめて繊細な部分が受け取れるのではなかろうか。

 

さて、大千秋楽であったこの回、完璧でした。完璧すぎて、完璧さが衝撃過ぎて、メロディーと映像が頭の中でリフレイン3日目です。

 

ストーリーをおさらいしつつ、だらだら語っていきます。ネタバレ含みます。

 

 

舞台は韓国、ソウル(韓国発のミュージカルのため)。旧型のヘルパーロボットが住むアパート。

毎日同じルーティンを繰り返しながら持ち主(ジェームズ)の迎えを待つ日々を過ごす主人公のオリバー(浦井健治)。

 

平穏な日々、変化のない日々。それを一番の幸せだととらえて過ごす。暖かな日差しと、唯一の親友である植木鉢と、ジェームズの好きだったレコード。

 

全部見てから冒頭に戻ると彼は、この時は思い出のなかだけで生きていたように思う。ジェームズとの思い出を胸に、来るべき日(ジェームズの迎えか、自分の終わりか)がどちらが先でも良いと思っていたんではないか?子が親の帰りを待つような無垢な期待と、数%、現実がうっすらと見えてしまっている寂しさを含んでいる。そんな印象を受ける。

 

あるとき平穏な日々を崩す、ドアを叩く音が響く。「充電器が壊れちゃったの!」と、オリバーよりは新型のロボット、クレア登場。

どうやらクレアは5、オリバーは3というタイプのヘルパーロボットで、3は古いゆえにクラシック、耐久性に秀でている。

5は、3と比較して充電速度や容量をUPした結果、経年劣化に弱いという弱点が。しかし、GPS内蔵、車の運転もできちゃうハイテクぶり。

はじめて会うクレアに対して、公演前半日程ではオリバーが抱く感情としては「恐怖」が強かった印象。でも、楽日はわずかに「好奇心」が見え隠れ。

  

平穏な日々を過ごすオリバーのもとに突如現れた嵐。

「仕方なく」助けてあげたオリバーは、そのあとも充電器がなおるまで、きっちり彼の計画通りに従うのなら、充電器を貸してあげるという約束をする。

(この約束をするためにPVにある糸電話のくだりが入るわけだが、時期的にソーシャルディスタンス!でも、それだけでなく距離感をもちたいオリバーの表現なんだろうけど、、、地声で聞こえるのにやんややんややっている2人はとにかく人間味があって可愛い。小さいころ同じようなことをやったことある世代はきっとほっこりするはず。)

 

1分の狂いもなく、毎日毎日行われる充電器の貸し借り。同じやりとり。

でも、きっちりと待っているのは常にオリバーで(たぶん5~10分前行動、もしかしたらもっと前?)、クレアはたとえばTVを見ていたり、考え事をしていたり、オリバーとのこと以外の自分の生活を主軸にしている様子。

そのなかでオリバーも、少しずつ相手をからかってみたり、状況を楽しみ始めている様子が見られた・・・と思ったら! ジョンが直してくれちゃったクレアの充電器。

 

ここで、2人の関係性は終わってしまう、と思いきや。

「1人でいることに飽きた」と素直に語るクレアが、オリバーにちょっかいを出し始める。そこでクレアが聞き出した、彼の目標である「友達に会いに行く」。

そして「友達」の問いに答えるあの歌が始まる。

ここの、ジェームズとオリバーのデュエットはサカケンさんver.(別日)は、父を待つ息子のような、少し大人びてみせようとするオリバー。斉藤さんver.では、本当に友達を待つ、ちょっと強がってみせるけど寂しいオーラ醸したオリバー、という印象を受けました。

歌の美しさはサカケンさん圧勝ですが、2人の関係性としては斉藤さんver.のほうが好みでした。斉藤さんVer.は、オリバーが会いたいよ!の気持ちを素直に感情を出している気がして。

 

そこから急展開、済州島に2人でドライブに!!!(いろいろ端折りました)

 

2人がロボットであることがばれないように、カップルに見せるために架空の出会いの話を再現しながら歌ううた。あれは憧れなのだろうか、劇的というか、非日常から恋に落ちる二人の話。

 

あの瞬間、何も聞こえない。

2人は出会った、あの、雨の日。

 

この架空の恋の歌と、のちに本当の恋を自覚したときの歌の温度感の違いよ。

映画やドラマで「見るもの」であった恋の、当事者になったとき。それは「わー!!」とテンションが上がるものではなく、「なんで、こんなふうに感じるんだろう」という「戸惑い」から始まるのであった。

 

ところで、どこでそうなったんだろう、この2人。

クレアは比較的早い段階、くるくると動く彼の愛くるしい表情に振り回されている感じはありましたが。

オリバーは??

思えば、ホテルのあたりからもうすでに、オリバーはクレアに対して甘えているように見える。「クレアがいれば大丈夫」と、安心しきっているような。

 

でも、決定的なのはやっぱりジェームズの一件の後なのかな。

オリバーはきっと、家族に言われたことよりも、ジェームズにもう会えないという事実のほうが堪えたんじゃないか。それで、もう完全に1人ぼっちになってしまったことを突き付けられたから。

 

「彼の迎えを待つ」という、人生最大の目的がなくなってしまった。

 誰も僕を必要としていない。

 

 蛍のシーンは、キャストのインタビューでも「命のはかなさの象徴」と伝えられている。消えていく命があり、それが有限だからこそ輝く瞬間がある。オリバーにとって輝く瞬間というのは、ジェームズとの日々だったんだろう。

 

絶望にいたオリバーと、同じように傷を負った経験があるクレアが、あの1匹の蛍によって希望を灯される、そんなシーンだったのではないかな、なんて。。

 

 

旅を終えて、2人が想いを伝えあうシーン。

前半の日程では、「ロボット的な」キスシーンだった。オリバーが「口づけた」という感じの。(ソーシャルディスタンスで、たぶん実際は口づけておらず、、宝塚スタイルの見せ方でした。手で隠す、男性役の後頭部で覆われる、みたいな。)

 

楽日のキスシーンは・・・・なんだあれは・・・・!!

宝塚スタイルは変わらないのですが、

クレアの頬に添えた片手、もう片手は・・・クレアの手をぎゅっと握ったまま、オリバーの心臓のあたりに。

なんだあれは・・・なんと感情的なシーンなんだ・・・

そしてそのあと。2人でおでこをくっつけあって。。。

ロボットって体温あるのかしら。心臓も血管もないから、、体温もきっとないはずなのに。

ただ「触れる」だけだった接触から、「互いを感じあう」あのやり方は、もう、人間のラブシーンでしたね。わざとそうしたのかな~。

 

そこからの先の展開は複数回観劇しているともう・・・・。

幸せなシーンでも心に影を落としていく。あぁ、近づいてくる。あの瞬間が。

 

 

たとえこの身が朽ち果てても。

穏やかに歌うオリバー、それに返すクレア。あれは永遠の愛を誓うシーンだったんじゃないかな。

あれは本当に、浦井さんにしか歌えない歌でした。優しさに溢れた歌。優しさと愛情だけ、先の保証も何もない。ただの優しさ。

あれが例えば別の人が歌っていたら「大丈夫、なんとかなる」となんとなく頼りになってしまうような。

なんともならない事柄について、それでも、「僕は」と気持ちを伝えるだけ。

なんの解決にもならない。だから儚い。泣ける。

 

でも・・・

そうやって、つらいつらいと思いながら2人で歌ったあの歌は、なんだったの!!

どうして「そうするしかない」という結論になっちゃったの!

どうして、そんなに辛そうな顔してまで、、なんでなのオリバー!!!

 

と、盛り上がる音楽の中で泣きながら思ったわけです。客席の私は。

 

 

 1回目見たときは、本当にクレアはどっちなのか、わからなかった。

でも、ここからここまでっていう記憶を消しただけで時が戻ったわけじゃないんだから、充電器は実際壊れてないはずでは・・・?

というのと、2回目観劇時にみた、充電後のクレアの表情とか声のトーンでなんとなく。

お互いに探っていたあの時間。

 

幸せの裏の悲しみ。その悲しみを消すには幸せも消さないといけない。どちらを取るか、という問題ではないんだろうけど。 

 

記憶を消すということは、自分が誰だかわからなくなることじゃない。

私は記憶を消したりなんかしないわ。

 

何気なく、彼女は言っていました、実は。2回目の観劇で初めて気づきましたけど。

 

記憶を消すということは、自分が生きてきた道を否定すること。

大切にしたい。自分の選んだ選択を。

でも、それに相手を巻き込んでもいいのか。

 

そういう風に考えた末でのあの決断だったんじゃないかと、私はとらえました。

 

そのあとの問い、からの 、優しい、  たぶんね。

 

2人とも、お互い同じ気持ち、覚悟。

なにが起きても、もう、ハッピーエンドでしょう!! 

 

全編通して本当にメロディーが美しくて。

効果音としてのピアノやBGMとしてのストリングスの音も素敵でした。

あの蛍の光がわーって広がる瞬間と、最後の初期化の瞬間の切迫感と高揚感、本当泣けました。。

 

私個人的には中川クレアより花澤クレアのほうが好みでした。というのは、キャラクターがなんとなく、浦井さんと相性が良いような気がしたから、という理由と、声のお仕事をされているだけあって本当にきれいな声なんです。涼しげで少し甘くて、清んで、気持ちがよかった。

 

あと、終演後走り書きした自分のメモを見返していたら忘れていたことが。

クレアは恋人同士になって以降、オリバーの名前を頻繁に呼んでいるけれど。オリバーは「きみ」「あなた」が多かったような。セリフではなく歌が多いからか?なにか意味があるんだろうか。 

 

ともかく、余白が多い演目だったなと思います。演者によっても解釈が分かれそうな。

 

再演されることを心から祈っています。

出会い ~好きの入り口~

本当は、今日観に行った舞台の話が書きたいのに、まだ推しとの出会いにたどり着いていない・・・・

 

そう、「グリブラ公開ゲネプロの話です。

いま思えば本当にプレミアチケットだったんじゃなかろうか。

出演者:井上芳雄/濱田めぐみ/橋本さとし/城田優/浦井健治/加藤和樹/相葉裕樹/柿澤勇人/愛原実花 司会に福田雄一/渡辺麻友/川久保拓司

 

それまで、バンドのライブなんかはよく行っていて、ホールというのも比較的行き慣れていたのでそんなに特別な緊張感はなかったように思う。

(会場はメルパルクホール。東京タワーのすぐ近く)

 

ただ、ライブと違うことは座って観る。ということくらいかな?

 

コント部分の感想は省略。。。

そう、、歌です。そこで出会ってしまったのです。

 

浦井健治という人に・・・・

この方、グリブラのコントでは城田優氏や井上芳雄さまからなかなかのいじられっぷり・・・笑

コント内でも「打ち上げの幹事をやりたいのに出来ない」というダメっぷりと、本気の変顔と、本気の駄々っ子で笑わせてくれました。

(第10話だったかな?今ではお気に入りの回。笑)

 

 

そう、歌です。

撃ち抜かれたのは「いまは子どものままで」。あれはすごかった・・・

二都物語』というミュージカル作品の曲で、共演した井上芳雄さんとのデュエット。

 

聴いていただければわかる、なんとも優しい歌なのです・・・・

https://www.uraikenji.net/discography/ 

ちなみに浦井さんソロバージョンはCDで聴けます。

サブスクにもあります(Spotifyしか確認していませんが・・・)

 

なんと優しい歌、なんと優しい歌声・・・・

それとあのコントのギャップ・・・・

そしてあんなにしっとり歌ったあと福田監督ときゃっきゃわちゃわちゃ・・・

小学生か!!というノリ。横でげんなりする芳雄さま。笑

 

この人はいったいどんな人物なのだー!!???

 

ってなりますでしょう。

それが沼の始まりでした・・・

帰り道、たしかチラシが配られた『メタルマクベスDisk3』のチケットを迷いつつ

ポチッた・・・・とさ。

 

そう、このときはまだ、ふわふわしたものでした。興味の芽が出ただけ。

でも、J-Rockバンドとは違う、生歌のパワー(声量すごい)、表現に圧倒された1日でした。

(もちろん、まったくジャンルの異なるものなのでどちらがすごいとか劣っているとかそういう意味ではない)

 

ここから、『趣味=ミュージカル鑑賞です』というに至る道へ、足を踏み入れることになるのでした。

 

あぁ、生きがいをありがとう、福田監督。芳雄さま。

貴方たちの番組のおかげで、今わたしは楽しく生きることができています。

 

Noエンタメ、No Life。です。

 

 

 

とりあえず導入でわーっとここまで書いたので、あとは時系列めちゃくちゃで観劇レポ(レポにならないただの感想)を、気の向くままに書いていこう。

あぁ、頭の整理にちょうどいい。書くの、楽しい!

ミュージカルとの出会い

私がミュージカルにはまったきっかけ

そもそも、いつからミュージカルが好きなんだっけ。

 

思い返すとそれはオペラ座の怪人でした。

https://movies.yahoo.co.jp/movie/320635/

映画でジェラルド・バトラー演じるファントムの甘い声、豪華絢爛なマスカレード、シャンデリア・・・・

DVDを買い、サントラに聞き惚れる毎日でした。(高校生くらいだったかな?)

 

それからミュージカル映画、世間的にも流行っていましたね。レミゼラブル、ラ・ラ・ランド、グレイテストショーマン。

個人的にはムーランルージュとかも好きでした。

 

しかしこれはすべて、映画の話。

 

いつ、実際に劇場に足を運ぶようになったのか。

それは比較的最近であり、かなり邪道な入り方だったように思います。

 

それは、WOWWOWの番組、「グリーン&ブラックス(以下グリブラ)」でした。

https://www.wowow.co.jp/stage/gb/

勇者ヨシヒコで有名な福田監督×絶対的プリンス井上芳雄さまの異色コラボ。

 

はじめはコントを見て「変な番組が始まったな」くらいに思っておりました。

(いま見返すと超すごいキャスト集めてるのに、当時全く知識がなかった私は、「芸人じゃない人たちが集まって面白いことをしてる」くらいのイメージでした)

 

この番組、構成としては、ざっくり分けてコント半分、歌半分の30分番組。

出演者は井上芳雄さんはじめ、柿澤勇人さん、中川晃教さん、加藤和樹さん、濱田めぐみさん・・・などなど。(豪華!!豪華!!!)

 

でも、面白い人たちはじつは歌コーナーではがうまかった、くらいの印象だった。まだこの時点では。(だって、歌ってるうたはミュージカル作品のものだったから、基本聞いたことない)

 

決定的に打ちのめされたのは、グリブラ初のイベント。その名も「公開ゲネプロ

https://enterstage.jp/news/2018/11/010835.html

 

公開ゲネプロ???

 

要は、キャストが売れっ子たちすぎてスケジュール合いづらいため、念入りなリハが出来ず、いっそ「ゲネプロ(=通しリハ)ということにしてしまおう」という、福田監督にしかできないであろう大胆な企画。

 

発売の時点で出演者は「井上芳雄福田雄一」しか確定ではなかったんだよね、確か。

確固たる推しがいる皆さんは、どういう心境だったんだろう、あのイベント(笑)

 

でも本当に、いま思えばあのメンツのあのステージ、軌跡でしかなかった。。。

あれがなければ、きっとこんなにミュージカルにはまっていない、推しにも出会っていない、全然別の人生だっただろうな・・・と思うほど、本当すごいターンイングポイントになりました。 

 

 

あぁ、1000文字超えた・・・ 楽しい、書くの楽しいよ、、、